MSI AfterburnerにはGPUをオーバークロックする機能の他に、ゲーム画面上にフレームレートやGPU情報を表示できるオンスクリーンディスプレイの機能があります。この設定や見た目を変更するのが少々ややこしいので解説します。

MSI AfterburnerとRivatuner Statistics Server

MSI Afterburnerをインストールすると、セットでRivatuner Statistics Serverもインストールされます。
MSI Afterburnerを起動すると同時にRivatuner Statistics Serverもこっそり起動されるので、一見アドウェアかと思われがちですが、それぞれに役割があります。

MSI AfterburnerはGPUのオーバークロックがメインの機能ですが、ハードウェアモニターとオンスクリーンディスプレイの機能も備えています。オーバークロックをする際に温度等のハードウェアの状態を監視する必要があるのでモニター機能は必須です。

モニターした情報をゲーム中でも画面に表示していつでも確認できるようにする役割を持つのが「Rivatuner Statistics Server」です。

MSI Afterburnerでシステムの状態をモニタリングし、そのデータをRivatuner Statistics Serverへ送って画面上に表示します。

MSI Afterburnerの設定

まずはMSI Afterburnerの設定からモニタリングの項目を開きます。

ここでモニタリングを行うグラフにチェックを入れていきます。
実際に表示させる項目は後から決めるので、ここでは使うかもしれない程度でもいいので必要そうなものにチェックを入れておきます。

以前紹介した記事では、ここで「オンスクリーンディスプレイでの表示」にチェックを入れると紹介しましたが、ここではチェックは入れません。

ここでチェックを入れると、Afterburner→Rivatunerへデータが送られてディスプレイ表示がされるんですが、今回はAfterburnerではモニタリングをするだけで、後述のRivatunerからAfterburnerで使うデータを選択します。

Afterburnerからデータを渡すのではなく、RivatunerからAfterburnerへデータを取りに行くというイメージです。

Rivatuner Statistics Serverの設定

Afterburnerで監視する項目を決めたら、Rivatunerでは表示する項目と表示するディスプレイデザインを設定していきます。

Rivatunerを開いたら出てくるこの画面は初期状態のままでかまいません。
「Show On-Screen Display」がONになっていることを確認してください。
「Raster 3D」をクリックしてベースになるフォントとフォントサイズを指定しておきます。

画面下部にある青い「Setup」ボタンをクリックします。

「Plugins」のタブを開き、「OverlayEditor.dll」にチェックを入れて、これをダブルクリックします。

Overlay editor での編集

このような黒い画面が開きます。
これがゲーム画面上にオーバレイ表示する項目をデザインするためのエディターです。

黒い部分がゲーム画面のイメージとなります。

Data sourcesの選択

まず初めに、先ほどAfterburnerでチェックしたモニタリング項目からデータを取得する項目を選択します。

上部メニューの「Data sources」→「Edit」を開き、「Add」をクリックします。

データの一覧が表示されるので、「Data provider」のところからMSI Afterburnerを選択します。

すると先ほどチェックした項目の一覧が出てくるので、ここからさらに表示に使う項目にチェックを入れていきます。

とりあえずこんな感じで使いそうな項目を選びました。
ここから、この項目をエディター上に配置していく作業を行います。

Layersの配置

実際に私がデザインした方法とはちょっと異なるので後述しますが、まずは基本的なところから。

上部メニューの「Layers」→「Add」をクリックします。

するとエディター上に「Text layer」という文字が現れます。
これがデータを表示するためのレイヤーとなります。

この時、何か適当なゲームを起動しておくと、エディター上に配置したレイヤーがリアルタイムで表示されるのでわかりやすいです。

この「Text Layer」の文字をダブルクリックするとプロパティが表示されます。

Hypertextのとことを書き換えるとエディター上の文字も変わります。

ここでHepertextの入力欄の右にある「+」をクリックすると、先ほどのData sourceを選ぶことができます。

リストから表示したい項目を選び、表示内容にチェックをいれます。

Add label

例えば「CPU usage」を選択した場合、数値の前に「CPU usage」の文字列が表示されます。

Add current value macro

「30%」のように実際の数値が数字と単位で表示されます。

Add embedded graph

数値の変動がグラフ表示されます。

Add embedded image

Deta souceに使ったソフトウェアのロゴ画像が表示されます。今回の場合はAfterburnerの飛行機のようなロゴです。

OKをクリックして閉じると、「%CPU usage% %」という文字列が入力欄に入ります。

Add current value macroのみを選択したのでこのようにCPU使用率の文字情報が表示されています。

もう一度プロパティを開き、さらにCPU温度も追加しました。

別のレイヤーを追加して、フレームレートのグラフと数値を表示してみたり。

レイヤーのプロパティで色や文字サイズを変えることもできます。

Use custom color

文字、グラフの色

Use cutom backgound color

背景色

Border, in pixels, inner or outer if negative

枠線の太さと色。正の数字なら内側、負の数字なら外側

Text size, in percents

文字サイズ(%)

Text alignment, in symbols, left or right if negative

文字等の左右の配置?よくわかりません。

Tablesを使ったレイアウト

上記の方法で自由にレイアウトできますが、個人的にはこちらの方が慣れたら簡単だったので紹介します。

上部メニューの「Tables」→「Edit」を開き、「Add」をクリックします。

テーブルのプロパティ画面が開きます。
「Name」には適当にわかりやすい名前を入れます。

Call size, in percents はValue(数値)とUnits(単位)の文字サイズです。
45℃なら45がValue、℃がUnitsでそれぞれ文字サイズを変えられます。

Cell alignment は数値と単位の間隔です。
これは実際の画面を見ながら数値を調整するのがわかりやすいです。

Table edit mode はlines(行)をまとめて設定するか、cells(セル)ごとに設定するかの選択です。
Lineは各テーブルに1つですが、Cellは複数追加できます。
Line Cell Cell Cellのように横並びで表示されます。
数値だけ表示したい場合はLineは空欄にしておきます。

下部にある「Add」をクリックして情報を追加します。

セルのプロパティ画面にて、Line nameに項目名、Cell data source からAfterburnerから取得するデータを選択します。

ここでLineとCellそれぞれの文字色を変更できます。

色の選択画面で右下にある「>>」をクリックすると、数字によって色を変える設定をすることができます。

例えばCPU温度が70℃までは黄色、70℃を超えたら赤のように設定することで、異常な状態になったことを色で判別できます。

これをテーブルを追加してそれぞれ設定していきます。
私の場合はCPU・GPU・FPS・MEMORY・FANの5項目設定しました。

Tableの設定が終わったら、前述と同じようにレイヤーを追加します。

「+」をクリックした選択画面にて、先ほどとは違い「Text table」をチェックし、先ほどのTableを選択します。

Hypertextに<TT=FPS>という文字列が入力され、Applyをクリックするとエディター上にTableで設定したValue(数値)とUnit(単位)が表示されます。

こんな感じで配置しました。
エディター上はグリッドになっていてスナップするので縦横を合わせやすいです。
各レイヤーは角をドラッグしてリサイズできます。

ゲーム画面で邪魔にならない場所に移動しました。