マンションでフレッツ光を使い続けていますが、最近どのプロバイダを使っても混在していて、夜間は10Mbpsを切ることも少なくありません。どうにかしたいと思ってたどりついたのがZOOT NATIVEでした。
これまでの通信環境
今まではインターリンクのZOOT NEXTをずっと使ってきました。自宅にあるNASに外部から接続したかったので固定IPを1000円で使えるプロバイダということで始めたのですが、OCN等の大手に比べると利用者が少なかったためかずっと快適に使えていました。しかし2018年くらいから明らかに遅くなり、おそらく帯域制限をかけているような状態でした。
21時くらいの最も混むであろう時間帯ですが、1.4Mbpsとありえない遅さ。ちなみに回線はフレッツ光ネクストギガラインタイプ。1Gbpsです。
このレベルになるともう動画サービス等は止まりまくってまともに観られないレベル。
こうなった原因としては、光回線の利用者の増加が考えられます。
2015年3月からドコモとSoftbankの携帯会社が揃って光回線のサービスを開始し始めて状況が変わってきました。スマホが普及し、動画やゲーム等膨大な通信が必要になったことで、携帯回線のパケット量を抑えるために家に光回線でWi-Fiを繋ぐ家庭が爆発的に増えていきました。
ベストエフォートなので混雑してしまえば1Gbpsも100Mbpsも一緒です。
2022年5月17日現在
改善されたらしく、ZOOT NEXTも速いです。固定IPが使えるサブのプロバイダとして優秀です。
次世代インターネット接続のIPv6
そんなやばい状況の中登場したのがIPv6。
通常インターネットにつなぐためには携帯でも光でもIPアドレスという固有の番号が必要になります。111.222.333.444のようなドットで区切られた12桁の番号です。IPv4と言われていて数字の組み合わせは42億個くらいあります。これが今世界中で枯渇状況にあり、それを解消するために生まれたのがIPv6。
IPv6は16進数になっており、2001:1234:5678:90ab:cdef:1234:5678:90abという感じですべての組み合わせは340澗個あるらしいです。澗は10の36乗。わからん。
ではIPv6で接続すると何が変わるのか。
IPv6の接続方式には2種類あり、従来のIPv4と同じPPPoE(トンネル方式)、もう一つはIPoE(ネイティブ方式)。速くなるのは後者のIPoE接続です。
以下はインターリンクの画像を拝借しています。一言で言うと網終端装置を通過するかしないかの違い。
PPPoEで接続するとパケットが網終端装置を通り、各プロバイダへ振り分けられます。この網終端装置が混雑することで速度低下が起こります。
高速道路で料金所でお金を払うために混雑するみたいな感じでしょうか。
IPoEではこの網終端装置を経由しないので、混雑や速度規制の影響を受けずにインターネットに接続できるためにIPv4よりもIPv6が高速に接続することができます。高速道路で言うETCみたいな。
参考:IIJmioひかりの混雑の理由とバイパス手段(IPoE・DS-Lite対応)
ZOOT NATIVEとは
IPv6が速いとは言え、IPv6の恩恵を受けるには、接続先のサイトもIPv6である必要があります。現在IPv6に対応しているサイトはYouTubeとかFacebookとかTwitterとか一部のサイトのみ。Yahooでさえまだ対応していません。
じゃあ意味ないじゃんと思っていたところで登場するのがZOOT NATIVEです。IPoE DS-Lite方式と呼ばれる技術で、IPv6と同じようにIPv4も制限なく通信しちゃうぜっていうまるで乗車券しかないのに特急に乗れちゃうみたいなすごい技術。
利用料は月額1,100円(税込)。IPv4固定IPつきで2,200円。安い。
ZOOT NATIVEの導入方法
まずはZOOT NATIVEを契約。最大2ヶ月まで無料体験できるのでつながらなかったり思ったように速度が出ない場合は無料期間内に解約できます。
ZOOT NATIVEのデメリットとしては使えるルーターが限られるという問題があります。
2018年当時ではかなり限られていましたが、IPv6が普及してきて2022年現在ではほとんどのルーターが対応しています。
当時その中でも安く、5000円くらいで手に入るI-O DATAのWN-AX1167GRを購入しました。
ZOOT NATIVEに契約して完了通知が来たらルーターの設定をしますが、設定内容は・・・
これだけ。
IPv6でインターネット接続するための設定は「transix」を設定するだけです。普通なら接続用のIDやパスワードを入力しますが、IPv6はどうやらNTTの回線とプロバイダが紐づけされるらしく、これだけでつながります。
ZOOT NATIVEでの速度計測
はやい!!!!!
通常ならピークと言っていいくらいに混雑する22時代でもこの速さ!もはや家にあるNASにデータをコピーするより速いんじゃないかってレベルです。
ついでにPS4でもチェック。
PCでの計測よりは落ちますがそれでも126.5Mbps。
先日発売されたCall of Duty WWII。PS4の診断ではNATはタイプ2(モデレート)でしたがこちらだとオープンになっていました。
続いてFF14。ポートは関係ないのでもちろん問題なし。
ManaのデータセンターへPINGしてみると・・・
124.150.157.156 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
124.150.157.156 からの応答: バイト数 =32 時間 =10ms TTL=55
124.150.157.156 からの応答: バイト数 =32 時間 =9ms TTL=55
124.150.157.156 からの応答: バイト数 =32 時間 =10ms TTL=55
124.150.157.156 からの応答: バイト数 =32 時間 =9ms TTL=55
10ms以下とめっちゃ速い。
ZOOT NATIVEで接続したらIPアドレスやホストはどうなる?
IPv6でIPv4も接続できるってことはIPv4のIPアドレスやホスト名はどうなるんだろうと思い調べてみました。
transix.jpというドメインでした。
http://www.mfeed.ad.jp/transix/
ZOOT NEXTの方で接続しているときはstatic.zoot.jpというドメインになります。
IPv6の注意点やデメリット
速くて快適なIPv6ですが、始める前にちょっとした注意点があります。
一つはプロバイダとの紐づけ。PPPoE接続だとプロバイダを気軽に切り替えられましたが、IPv6の場合、回線とプロバイダが紐づけされており簡単に切り替えることができません。
私も以前は違うプロバイダを契約しており、そちらで紐づけされてしまったために解除しようと問い合わせてもできないと返答され、解約したがすぐには解除されずに2か月くらい待ってました。なので事前に確認した方がいいかと思います。
もう一つは、IPv6だとポートの解放ができません。なのでポート開放が必要なゲームやサービスが利用できない場合があります。でもIPv6接続とIPv4接続両方での接続もできるので2種類のプロバイダ契約が必要になってしまいますが、必要に応じて切り替えたり、特定のパソコンだけをIPv4でということも可能です。
ZOOT NATIVE 固定IPサービスが追加されポート開放も可能になりました。(最大65535ポート)
【よくある質問】ZOOT NEXT(IPv4 PPPoE)とZOOT NATIVE(IPv6 IPoE)を併用することはできますか?
https://faq.interlink.or.jp/faq2/View/wcDisplayContent.aspx?id=480
ルーターを2台用意してPPPoE用とIPoE用で併用することもできます。
IPv6 IPoEとIPv4 PPPoEを同じネットワークで併用する方法(WXR-1901DHP3)
IPv6&Wi-Fi6対応おすすめルーター
最近はどこのメーカーのルーターもIPv6に対応するようになってきました。さらにWi-Fi6にも対応してきているのでさらに高速で安定した通信ができます。個人的にはバッファローかNECがおすすめ。
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